ストレスケアについて

患者さん・同僚・医師など複雑な人間関係の中、命に関わる大変な仕事をしている「看護師」。ここでは、多くのストレスに晒されている看護師の方々の為になる情報をご紹介しています。

● 認知行動療法でメンタルヘルスケアを

 朝、原因不明の頭痛と強い倦怠感で出勤がつらい。「辞めたい」と常に思うほどつらい毎日を送っている方は、メンタルヘルスをしてみましょう。今つらくないという方でも、看護師という職業は患者さんの命を預かるため、常に高いストレスと緊張感の中で長時間働かなければなりません。そのため気付いていなくても、自然と心・体に疲労は蓄積しています。
 認知行動療法は「うつ病」や「もえつき症候群」の治療になるだけでなく、予防やサインの発見にもなります。病気の知識としてだけでなく、自分自身のメンタルセルフケアの一つのツールとして、ぜひ利用していただきたいと思います。

● うつ病やもえつき症候群が起こりやすい職業

 うつ病やもえつき症候群になってしまう方は、まじめで責任感が強くリーダー性もあり、我慢強い、日本人の美徳とされている性格の方が多く発症します。看護師という職業を選んだ方ももちろん、人一倍責任感が強く、我慢強い方が多いでしょう。さらに発病してしまう方の多くは教師・医師・看護師・介護福祉士など人のために仕事をする「援助職」のほうが割合が多いのです。つまり、看護師の仕事をしている方は、何かのきっかけで「うつ病」や「もえつき症候群」になってしまう可能性が非常に高いということです。そのため、ひどくなってしまう前に気づくための「メンタルセルフチェック」と、自分でケアしていく「メンタルセルフケア」についてご自分にも当てはめて考えていただきたいと思います。

● なぜメンタル不全が深刻化してしまうのか
 
 うつ病やもえつき症候群になってしまう原因の一つとして、「心の思い込み」や「自分を追い込んでしまう考え方のくせ」があることが知られています。さらに我慢強い気質、人に迷惑をかけたくないという思いから、自分がどんなに心身のつらさを感じていても「人に気づかれないようにふるまってしまう」という傾向があります。そのため、気づいた時には倒れてしまったり休職して本格的に治療しないとならない状態にまで悪化してしまいます。

● 認知行動療法とは

 認知行動療法とは、認知のくせを自分で把握して、物の受け取り方や感じ方、考え方を調整します。そして、必要以上に「自分自身で問題を深刻にしたり追い詰めたり」してしまう「考え方や感じ方の癖」を自分自身で把握して、心のバランスをとり、ストレスと上手に付き合っていく「考え方」を学んでいきます。

 つまり、認知行動療法とは、問題に直面した時に悲観的になりすぎず、楽観的になりすぎず、しなやかな考え方で受け止め、問題に対処していけるようにするための「心のバランス感覚を養う」思考法を身に着けるということです。このバランスをとる思考法が日常生活でうまく使えるよう練習しておくと、うつ病やもえつき症候群などのメンタル不全の予防と改善に役立てることが出来ます。

 もっとも簡単な認知行動療法は、についての本を一冊買って読んでみることです。認知行動療法では、「メンタルヘルスに関する正しい知識を得ること自体も治療になる」とされています。認知行動療法ではすぐに日常で役立てることが数多く書かれています。そのためできることから一つ一つやることで、確実に心が軽くなってくるはずです。その中でも「コラム法」は「自動思考」の癖を発見し修正していくための便利なツールです。ぜひ覚えて実践していただきたいと思います。

● 認知行動療法の「コラム法」は使える

 人は常に「自動思考」をしています。例えば上司から失跡を受けた時、あなたの心の中でどのような「声」が聞こえますか?
 例えば、自分がミスをして上司から叱責を受けた時、心のバランスが取れていれば「次から気を付けよう」「上司は患者のためだけでなく、私自身のためにも叱責してくれている」といろいろな方面からとらえることが出来ます。つぎからしっかりやろうと前向きに考える方もいます。
 ところが、メンタルに問題を抱え心が疲れ切っているときに、叱責を受けると、「自分はダメな看護師だ」「私がいると病院のためにならない」「看護師でいる資格がない」等、とにかく悲観的に考えすぎ、その思い付き事態で自分をどんどん追い込んでしまいます。
 こういったつい自分で考えてしまう自動思考には、人それぞれの癖があります。つらいことがあったとき、つい自分自身を責めるような言葉が何度も何度も浮かんでくるようなとき、『コラム法』で自分の考え方の癖をつかみ、バランスの取れた考え方を身に着けていきましょう。

● コラム法

 コラム法は、出来事と自動思考、そのあと自分で振り返って考えた時の心の変化をノートに書き出し、「自動思考を客観的にとらえる」ことに役立ちます。書き出す項目の個数で、3コラム法、5コラム法……とあります。ご自分に合った物を選んであまり考えすぎずに書き込んでみましょう。なれない時には、その時起こったこと感じたことを箇条書きにするだけでもとても効果があります。書き出して形にするということに意味があります。

 例えば6コラム法では、「日時 出来事」「感情(点数)」「自動思考(いやな考え)」「認知のゆがみ」「合理的思考(その他の考え、または反論)」。この項目ごとに箇条書きで端的に書きだしていきます。思いついた「自動思考」に対して、そのほかの考え方はないか、もしかしたらこういう意図も含まれていたかもしれないと「とらえ方を広げる」働きもありますし、どんどん深刻に考えてしまう自分の癖を客観的に見ることができるようになります。
 「感情」の欄には 怒りや焦り、悲しみの度合いを直感で数字にしてみます。これらの記述を1日あるいは時間を空けた後、もう一度見て、怒りや焦り、悲しみの度合いを再び数値にしてみます。すると初めの数値よりも減っていることを確認することが出来ます。このようにして自分の心のバランスをとるための調整方法を身に着けることが出来るようになります。

 1度だけでなく、何度も「つらい」と感じた時書き続けます。すると、以前の自分よりも簡単に「合理的思考」や考え方の変化をつかみやすくなっていることに気づくでしょう。日常生活のあるワンシーンでもノートに書き出すように「分析」「拡散」「バランスをとる」「客観的に受け止める」といったことができるようになり、必要以上に自分を苦しめる考え方の癖は修正されていくはずです。
 
● メンタルチェックを受けましょう

 「もえつき症候群」や「うつ病」の場合は、一刻も早く専門医に診てもらうことが一番です。当サイトにもそれぞれの前駆症状やチェック項目を載せておきますので、そちらを参考に「メンタルチェック」をしてみてください。本格的に治療が必要な場合は3か月から1年の休職が必要になります。早期発見が出来れば復帰の時間も早くなります。「辞めたい」と強く感じ、毎日心と体がつらいなら、少し長めに休暇を取り、治療への第一歩を踏み出しましょう。「なんともないですよ」といわれたら笑い話にすればいいじゃないですか。
 あなたのために、そして愛するご家族のためにも、ご自分を大事にしてください。
 

★ 認知行動療法とは 
⇒ http://www.ncnp.go.jp/cbt/about.html

★ メンタルヘルスポータルサイト「心の耳」
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/

★ Webでできる認知行動療法 7つのトレーニング
⇒ http://www.cbtjp.net/

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